【世界遺産】69時間目 文化的景観②~ヨーロッパの世界遺産

こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は69時間目ということで「69文化的景観②」です

■文化的景観②

◯ロワール渓谷:シュリー・シュル・ロワールからシャロンヌまで

(文)フランス 2000年/2017年範囲変更 文化的景観

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 フランス中部のロワール渓谷。

歴史 ローマ帝国末期の372年トゥール司教マルティヌスがマルムティエ修道院を設立。

1427年シャルル7世がロワールのシノン城に宮廷を移設。

1519年フランソワ1世が建築を始めたシャンボール城

シャンボール城は1981年に単独で世界遺産に登録されたがロワール渓谷の遺産登録に含まれることに。

特徴 ロワール川流域の渓谷周辺にあるルネサンス様式を中心とする城館が点在しており、城館建築の質の高さが特筆すべき点。

価値観の交流では人類と自然の交流が特徴。2,000年以上に及ぶ開発は周辺自然環境と調和。

■バルザックの『谷間の百合』、ターナーも渓谷の美しさを絵で表現。

Wikipedia→ロワール渓谷:シュリー・シュル・ロワールからシャロンヌまで

◯アランフェスの文化的景観

(文)スペイン 2001年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 スペイン中部の街。

歴史 15~18世紀にカスティーリャ王やスペイン王家によって作られた王家の夏用の離宮と無数の庭園が残る。

離宮:18世紀にフランス王家と同じブルボン家出身の王たちがヴェルサイユ宮殿を模して宮殿を整備。

特徴 碁盤目状に区画整理された街並や周囲の自然と調和した庭園群も評価されている。

火災のために幾度も改修が繰り返された離宮→陶磁器の間、アラブの間。

■アランフェスはスペインだがフランスのブルボン家やヴェルサイユ宮殿というワードが出るので間違い注意。

Wikipedia→アランフェスの文化的景観

◯シントラの文化的景観

(文)ポルトガル 1995年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 ポルトガル南部。

歴史 紀元前5,000年頃には人間が住んでいた。

12世紀半ばにポルトガル初代国王アルフォンソ1世がリスボンをイスラム教徒から奪回。

代々のポルトガルの王族が離宮を置いた。

18~19世紀にかけてはイギリスの富豪たちが別荘を建築した。

特徴 1840年頃にフェルディナンド2世が修道院を改築したベナ宮殿

ベナ宮殿はゴシック、ルネサンス、イスラム機などが混在。19世紀のロマン主義を代表する建築

■シントラは夏も涼しく冬も温暖。豊かな自然と独自の建築の調和がポイント。

Wikipedia→シントラの文化的景観

◯ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観

(文)オーストリア 1997年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 オーストリア中央部。アルプスの山々に囲まれた風光明媚な湖水地域。船がないと行けない陸の孤島。

歴史 古来から岩塩の発掘で栄えており、ハルシュタット近辺では先史時代の墓地や青銅器などが発掘されている。

この地で前10世紀~前5世紀頃にかけて繁栄した青銅器文化をハルシュタット文化と呼ぶ。

16世紀に神聖ローマ帝国により国有化されハプスブルク家の重要な財源に。

特徴 ハルシュタットは伝統的な木造建築と周囲の自然が調和した美しい景観。

ハルシュタットの塩坑は洗剤でも操業している。

ハルシュタットの近くのダッハシュタイン山は巨大な氷穴や洞窟が広がり、地質学的重要さも認められている。

■ザルツカンマーグート=良い塩の産地という意味。ハルシュタットはザルツカンマングートの真珠とも呼ばれる。

Wikipedia→ハルシュタット=ダッハシュタイン/ザルツカンマーグートの文化的景観

◯デッサウ・ヴェルリッツの庭園王国

(文)ドイツ 2000年/2019年範囲変更 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 ドイツ中部。

歴史 18世紀にアンハルト=デッサウ候レオポルド3世により造られた庭園群。

特徴 イギリス式庭園とドイツ新古典主義建築が調和した庭園群。

ヴェルリッツ庭園=庭園群の中核。ヨーロッパ大陸初の風景式庭園となった。

■キーになるのは英独調和の庭園群。キーになるレオポルド3世とヴェルリッツ庭園は抑えておきたい。

Wikipedia→デッサウ・ヴェルリッツの庭園王国

◯ムスカウ公園/ムジャクフ公園

(文)ドイツ/ポーランド 2004年 文化的景観

登録基準(Ⅰ)(Ⅳ)

場所 ドイツとポーランドの国境を流れるナイセ川両岸にある公園。

歴史 19世紀にヘルマン・フォン・ビュックラー=ムスカウ侯爵により建造された公園。

特徴 もともとは一つの公園だったが第二次大戦時に公園内のナイセ川が国境線となったため分断。

地元の植物や地形を活かし、公園と周囲に広がる景観を調和させた。→欧米の公園造成に大きな影響を与えている。

ドイツ側が「ムスカウ」ポーランド側が「ムジャクフ」。

■覚えやすい要素が多い。ムスカウ侯爵のフルネームが長い。

Wikipedia→ムスカウ公園/ムジャクフ公園

◯レドニツェ‐ヴァルチツェの文化的景観

(文)チェコ 1996年 文化的景観

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 チェコ南東部。モラヴィア地方南部にある。

歴史 13~14世紀に両都市を領地に。居城のヴァルチツェ城と離宮のレドニツェ宮を建造。

17~20世紀にかけてリヒテンシュタイン公爵家により築かれた建造物が残る。

19世紀初頭の当主ヨハン・ヨーゼフ1世により両城の間にロマン主義を取り入れたイギリス式庭園が建設。

特徴 リヒテンシュタイン家の築いたイギリス式庭園群

レドニツェ池群、領主の狩猟小屋、礼拝堂、意図的に造られた廃墟などが残る。

■どちらも「ツェ」がつくリヒテンシュタイン家の庭。リヒテンシュタイン家だけど国はチェコなので注意。

Wikipedia→レドニツェ‐ヴァルチツェの文化的景観

◯トスカーナのメディチ家の別荘と庭園

(文)イタリア 2013年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 フィレンツェ

歴史 トスカーナ大公国の君主としてメディチ家が芸術の保護を通して近代ヨーロッパの文化に強い影響を与えた証拠。

特徴 メディチ家の12の別荘と2つの庭園が残る。建築や庭園と自然環境を調和させた最初の例。

■イタリアやヨーロッパ各地の別荘のモデルにもなった。

世界遺産オンラインガイド→トスカーナのメディチ家の別荘と庭園

◯ヴィルヘルムスヘーエ丘陵公園

(文自複)ドイツ 2013年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 ドイツ中部。

歴史 1689年のヘッセン=カッセル方伯のカール伯爵が着手。

18世紀に曾孫のヴィルヘルム選帝侯がロマン主義的自然公園(イギリス庭園)を築く。

19世紀まで拡張が続けられた。

特徴 高さ11.5mのヘラクレスの銅像が見下ろす水が主役の公園。

東西に延びる水路はヘラクレス像の背後にある貯水池から、油圧や空気圧を駆使し丘陵斜面の水路に供給。

バロック様式の水の劇場や洞窟、噴水、350mの滝などを流れる。

■ヴィルヘルムスヘーエは「水」がキーワード。この単語を思い出せば景観をイメージできるようにしたい。

Wikipedia→ヴィルヘルムスヘーエ丘陵公園

◯キューの王立植物園

(文)ドイツ 2013年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 ロンドンのテムズ河畔。

歴史 1759年にイギリス王室のジョージ3世の母が造らせた。

1840年に王立植物園となる。

特徴 121万㎡の敷地面積を持つ世界最大規模の植物園。

巨大なガラス温室パームハウスの外観はヴィクトリア朝時代のまま。

図書館や研究所、嚥下学校などが付設。世界の植物園の先導的役割。

創建以来世界中から集められた植物は4万種以上にのぼる。

■植物園の遺産は「シンガポール植物園」もあるので比較して覚えるのもあり。

Wikipedia→キュー王立植物園

◯ピエモンテとロンバルディアのサクロ・モンテ群

(文)イタリア 2003年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 イタリア北部のピエモンテ州に7カ所、ロンバルディア州に2カ所散在する聖山。

歴史 16世紀後半~17世紀頃に築かれた。

特徴 サクロ・モンテは聖山という意味。数々の小聖堂や礼拝堂からなる山上の聖域。

森や湖など周囲の自然環境と建造物が調和した美しい景観が広がる。

イスラム教徒の勢力によりエルサレムなどへの聖地巡礼が難しくなったため代替として造られた

9つの聖山のうち最も古いヴァラッロ・セジアのサクロ・モンテはエルサレムを再現したもの。

■サクロ・モンテの意味を考えるとその特徴はイメージしやすいので語源は覚えておきたい。

Wikipedia→ピエモンテとロンバルディアのサクロ・モンテ群

◯ブラガのボン・ジェズス・モンテ聖域

(文)ポルトガル 2019年 文化的景観

登録基準(Ⅳ)

場所 ポルトガル北部のエスピーニョ山の斜面にある。

歴史 16世紀トリエント公会議でカトリック教会によって進められた聖山(サクロ・モンテ)を築く運動を伝えている。

特徴 ボン・ジェズス教会:山の西斜面に向かう「十字架の道」に位置する。キリストの受難を描いた彫像を収める。

■ボン・ジェズス教会がキーワード。サクロモンテは別遺産でも出てきている概念なのでチェック。

Wikipedia→ブラガのボン・ジェズス・モンテ聖域

◯フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観

(文)オーストリア/ハンガリー 2001年 文化的景観

登録基準(Ⅴ)

場所 オーストリアとハンガリーの国境に跨る。

歴史 湖畔には18~19世紀に建てられたハンガリーの大貴族エスターハージ家の宮殿風の館など。

特徴 ヨーロッパ最大の塩水湖。異文化が交わる要所。

塩田、貴腐ワイン用のブドウ園など自然環境と溶け合った人々の営みが見られる。

コウノトリなどの野鳥が多く飛来することでも有名。

■ヨーロッパ最大の塩水湖と、両国で異なる名前を持つ湖であることは抑えておきたい。

Wikipedia→フェルテー(ノイジードル)湖の文化的景観

◯チレント・ディアノ渓谷国立公園及び遺跡群と修道院

(文)イタリア 1998年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 ナポリの南東約120㎞。

歴史 紀元前7世紀に建設されたギリシャの植民都市パエストゥムに壮麗な3つの神殿、城壁の他公衆浴場跡など。

サン・ロレンツォ修道院:14~18世紀と長期にわたり建築。バロック様式の壮大な建築物。

特徴 断崖や岩礁が点在する入り組んだ海岸線や美しい渓谷を有する。

■パエストゥムとの繋がりを覚える。イタリアの遺産は多いので覚えるのが大変。

Wikipedia→チレント・ディアノ渓谷国立公園及び遺跡群と修道院

◯カルヴァリア・ゼブジドフスカ:マニエリスム様式の建築と公園に関する景観と巡礼公園

(文)ポーランド 1999年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 ポーランドの南部。

歴史 17世紀初頭に地主のニコライ・ゼブジドフスキがツァー山をゴルゴダに見立て聖十字礼拝堂を建設したのが起源。

特徴 多くの教会建築と公園で構成されるキリスト教における巡礼の聖地。

聖地エルサレムの景観を模し、山頂への道沿いに築かれた建築物のほとんどは曲線を多用したマニエリスム様式。

■マニエリスム様式:イタリア語で「手法」「様式」。ミケランジェロなどの様式を模倣したもの。

Wikipedia→カルヴァリア・ゼブジドフスカ:マニエリスム様式の建築と公園に関する景観と巡礼公園

◯英国の湖水地方

(文)イギリス 2017年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅵ)

場所 イギリス北西部に位置する山の多い地域。

歴史 氷河期に氷河の作用によって形成された。

1,000年以上の時間をかけて人間が農業や牧畜を行い、北ヨーロッパの高地農牧システムの代表例の一つに。

18世紀以降のピカチャレスクや後期ロマン主義の芸術運動の中で高く評価された。

特徴 放射線状に氷河が削り上げた渓谷が広がり、急峻な谷と細長い湖などの美しい自然景観。

ハードウィックなどの在来種の羊と、山や湖などが生み出す自然景観が調和。

「ピーターラビット」のビアトリスク・ポターは湖水地方の自然や動物をモチーフに描いた。

現在もナショナルトラストが20%の土地を所有している。

■湖水地方の自然を構成するキーワードを押さえておきましょう。

Wikipedia→英国の湖水地方

◯トラムンタナ山脈の文化的景観

(文)スペイン 2011年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 地中海に浮かぶスペイン領マヨルカ島の北西岸に延びる山岳地帯。

歴史 アラブ人によって灌漑設備の構築が進められていたこの土地は、やがてキリスト教徒によるレコンキスタを経て発展。

特徴 数千年に渡り農耕を営み、果樹園や菜園のために土地を切り開き、農地を区画し、山の斜面にクモの巣のように張り巡らされた水利灌漑システムを整備。

■マヨルカ島にこういうイメージがなかったので写真と一緒に見て覚えたい。

Wikipedia→トラムンタナ山脈の文化的景観

おわりに

「文化的景観②」については、公園や庭園が多いので特徴となる様式や人名を一緒に覚えることが必要と思います。

世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。

これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!

ではではー!

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