【世界遺産】70時間目 文化的景観③~ヨーロッパの世界遺産

こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は70時間目ということで「70文化的景観③」です

■文化的景観③

◯マドリウ・パラフィタ・クラロー渓谷

(文)アンドラ 2004年/2006年範囲変更 文化的景観

登録基準(Ⅴ)

場所 フランスとスペインの間にあるアンドラ公国

歴史 700年以上もの間、自然環境に沿うように暮らしてきた人々の文化が今も息づく。

特徴 雄大な氷河や断崖絶壁など厳しい大自然が見られる。

13世紀に開発された鉄の製錬所や定住集落の段々畑、牧草地、石造りの道などの遺産が点在。

■クイズ知識としてはモナコ、リヒテンシュタインとアンドラが3つの公国なので覚える。

Wikipedia→マドリウ・パラフィタ・クラロー渓谷

◯ブレナヴォン産業景観

(文)イギリス 2000年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 南ウェールズ

歴史 古代から鉄の生産が有名であった。

18世紀後半に近代的な製鉄所が建設。19世紀に鉄鉱石と石炭の主要産地として世界的に有名に。

特徴 18~19世紀の産業革命時の鉄鉱石や高炉、ビッグピット炭鉱跡、労働者の住居などが残る。

■産業革命時には大きく寄与した地域なので歴史背景と一緒に覚えたい。

Wikipedia→ブレナヴォン産業景観

◯コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観

(文)イギリス 2006年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 イギリスのコーンウォールとデヴォン州西部 

歴史 19世紀には世界に供給される銅の3分の2を産出。

特徴 当時の最先端技術を使った機械での銅の産出。その後世界に蒸気機関を使った採掘技術を伝えた。

■強力な蒸気エンジンやドリルなどを使って鉱山業の技術革新がなされた。

Wikipedia→コーンウォールと西デヴォンの鉱山景観

◯ノール=パ・ドゥ・カレの鉱山地帯

(文)フランス 2012年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 フランスの北端

歴史 良質な石炭や鉄鉱石がとれることからフランスの工業地帯として発展。

特徴 109の構成遺産が点在。

採掘坑、石炭輸送施設、鉄道駅、労働者の共同住居、学校、宗教施設、コミュニティ施設、経営者の家、タウンホールなどの炭鉱都市など。

■109の構成遺産がある炭鉱の遺産ということを覚えておく。

世界遺産オンラインガイド→ノール=パ・ドゥ・カレの鉱山地帯

◯タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム

(文)ポーランド 2017年 文化的景観

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 ポーランド南部の上シレジア地方。

歴史 3世紀に渡って管理されている地下と地上に跨っている水供給システム。

特徴 中央ヨーロッパの中心的な鉱物採掘地域。

入口付近の水平の坑道と竪穴、地下通路などすべての地下採掘場、その他の水供給システムが構成遺産。

ほとんどの構成遺産は地下に存在している。

■あまり世界遺産検定では出題されないイメージ。構成遺産が地下にほとんどあることは頭に留めておくと良い。

世界遺産オンラインガイド→タルノフスキェ・グルィの鉛・銀・亜鉛鉱山とその地下水管理システム

◯エルツ山地/クルシュネー山地工業地域

(文)チェコ/ドイツ 2019年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 ドイツ南東部(サクソニー)とチェコの南西部に渡って広がる。

歴史 鉱山の文化的景観は12世紀から約800年に渡って形作られたもの。

1460年から1560年にかけて銀鉱石の最も重要な供給地になっていた。

特徴 

■鉱物の産出地については頻出なので同じような銀の産地、金や銅などもまとめて抑えておくと良い。

Wikipedia→エルツ山地/クルシュネー山地工業地域

◯エーランド島南部の農業景観

(文)スウェーデン 2000年 文化的景観

登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 スウェーデン南部、バルト海に浮かぶエーランド島。

歴史 先史時代の遺跡が残り、住居跡やヴァイキングの墓が数多くの風車に交じって点在。その他にも約5,000年の歴史が

特徴 16~18世紀に造られた大小400もの風車が広がっている。

■風車の遺産も数多くあるので関連して覚えておきたい。

Wikipedia→エーランド島南部の農業景観

◯コースとセヴェンヌ:地中海性農業牧草地の文化的景観

(文)フランス 2011年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)

場所 フランス南部 地中海地域

歴史 3,000年以上の期間にわたる農業と牧畜業の発展と自然環境との関わりを反映。

特徴 名前からわかるように地中海性農業牧草地の文化的景観が特徴。

現地の農地や農家、平野、灌漑施設など広範囲。面積はすべてで3,000k㎡以上になる。

コースとセヴェンヌでは特に牧畜が重視、特にロゼール山の付近は、移牧が現在も実施されている。

■世界遺産検定にはあまり出ないイメージです。ロゼール山と地中海性農業の話を覚えておく。

Wikipedia→コースとセヴェンヌ:地中海性農業牧草地の文化的景観

◯クラドルビ・ナド・ラベムにある式典馬車用の馬の繁殖・訓練地の景観

(文)チェコ 2019年 文化的景観

登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 チェコの遺産。エルベ川の氾濫原。

砂地の土壌やU字形の湖、河岸の森林がある。

歴史 チェコ最古の馬種のグラドルバー種を繁殖させ、訓練する目的で作られた。

特徴 様々な自然とその他環境はすべてこのグラドルバー種のために造られた。

景観はフランスや英国の景観設計に則って作られ、美学的に要素が配置された農場「フェルメ・オルネ」の顕著な例。

■馬の遺産は珍しいので覚えておく。グラドルバー種と農場フェルメ・オルネは重要キーワード。

グラドルバー種はハプスブルク家の宮廷式典でも馬車馬として使われた。

Wikipedia→クラドルビ・ナド・ラベムにある式典馬車用の馬の繁殖・訓練地の景観

◯シェラン島北部の王室狩猟場の景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 デンマークの東部。コペンハーゲンがあるシェラン島。コペンハーゲンの北東約30km。

歴史 歴代のデンマーク王や王室により猟犬を伴った騎乗狩猟が行われ、中世から16世紀末にかけて最盛期を迎えた。

特徴 ストア・デュアヘーヴェとグリブスコウの2つの狩猟用の森、イェーヤスボー樹林の狩猟用公園からなる文化的景観。

狩猟場は直角に交わる道で格子状に広がっており、番号がふられた石柱や柵、狩猟小屋が残されている。

■猟犬を伴った騎乗狩猟→フランス語で「力による」という意味を表す「パル・フォルス」とも呼ばれる。世界遺産検定には出なそうなので覚えなくて良いがクイズには出そう。

Wikipedia→シェラン島北部の王室狩猟場の景観

◯ライン渓谷中流上部

(文)ドイツ 2002年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 ビンゲンからオーバーヴェセルまでの約65㎞の区間。

歴史 8~14世紀にかけて川岸に関所となる城や城塞が40以上築かれた。

封建領主たちが川を通る船から高い通行税を徴収していた。

特徴 川沿いは古城やブドウ畑などの景観が広がる。

19世紀初頭にシュトルツェンフェルス城やカッツ城などがロマン主義の影響を受けつつ再建された。

■美しい景観の特徴と共に「船の通行税」はキーワードとして覚える。

Wikipedia→ライン渓谷中流上部

◯ヴァッハウ渓谷の文化的景観

(文)オーストリア 2000年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)

場所 メルクからクレムスまでの約35㎞のドナウ川渓谷

歴史 先史時代の遺物も出土。古くから人々が生活していた歴史。

特徴 中世以来の景観が残り、交通の要所となっていたことから首都ウィーンを守る役割もあった。

■ドナウ川渓谷に広がる文化と自然の調和が特徴。

Wikipedia→ヴァッハウ渓谷の文化的景観

◯タウリカ半島の古代都市とチョーラ

(文)ウクライナ 2013年 文化的景観

登録基準(Ⅱ)(Ⅴ)

場所 黒海に面するクリミア半島(タウリカ半島)の南端ケルソネソス

歴史 紀元前5世紀に築かれた古代ギリシャの植民都市の遺跡。

15世紀まではブドウ畑の輸出で繁栄。18世紀には帝政ロシアが軍港を建設。

特徴 長方形をした当分の小区画に分けられた農地チョーラが数百ある。

■ウクライナの遺跡なのでロシア問題との関連も懸念される。

Wikipedia→タウリカ半島の古代都市とチョーラ

◯ケルナヴェ古代遺跡(ケルナヴェ文化保護区)

(文)リトアニア 2004年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 リトアニアの東部、ネリス川渓谷。

歴史 定住が始まったとされる旧石器時代後期(紀元前9,000~前8,000年頃)から中世までの要塞など考古遺跡の集合体。

14世紀末にドイツ騎士修道会によって破壊され住民は街を放棄し高台に移住した。

特徴 古代の遺跡が保存状態良く残される。

■あまり検定試験には出ないイメージ。

Wikipedia→ケルナヴェ古代遺跡(ケルナヴェ文化保護区)

◯リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観

(文)スペイン 2019年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)

場所 モロッコの西側カナリア諸島にあるグラン・カナリア島の中央部。

歴史 洞窟に住んでいた人の定住跡や岩絵が残る。

北アフリカのベルベル人が紀元後に到着、15世紀にスペイン人が入植するまで隔離されていた環境だった。

特徴 崖や峡谷、生物多様性に富んだ火山地形の土地。

アルモガレン:儀式のために岩に描かれた円形の穴がある。

ロケ・ベンテイガ:季節ごとの祭礼が行われた。

■星と大地を崇拝する信仰と関係があると言われる。

Wikipedia→リスコ・カイドとグラン・カナリア島の聖なる山々の文化的景観

◯クジャター・グリーンランド:氷冠周縁部におけるノース人とイヌイットの農業地域

(文)デンマーク 2017年 文化的景観

登録基準(Ⅴ)

場所 グリーンランド南部

歴史 半猟半農のノース人イヌイットの狩猟・農耕コミュニティの文化的な歴史を示している。

極地での最も早い農耕の導入や、ノース人のヨーロッパを越えた定住の広がりを示している。

ノース人→10世紀にアイスランドから到来しはじめた。

イヌイット→18世紀終わり頃から狩猟・農耕のコミュニティを発展させた。

特徴 氷冠周縁部の農業景観。

■グリーンランドにある世界遺産3つのうちの1つ。

Wikipedia→クジャター・グルーンランド氷冠周縁部におけるノース人とイヌイットの農業地域

◯アーシヴィスイトからニピサット:氷と海の間に広がるイヌイットの狩猟場

(文)デンマーク 2018年 文化的景観

登録基準(Ⅴ)

場所 グリーンランド西部中央。西はニピサットから東のアーシヴィスイトまで。

歴史 4,200年に及ぶ人類の歴史の遺跡が残る。

特徴 古代のパレオ・イヌイットとイヌイット文化の考古遺跡と、巨大な冬の家、カリブーの狩猟の跡が特徴。

イヌイットが陸上・水中動物の狩猟を行いながら季節ごとに移動して暮らす姿を伝えている。

■グリーンランドにある3つの世界遺産の1つ。(他はイルリサット・アイスフィヨルドとクジャター・グリーンランド)

Wikipedia→アーシヴィスイトからニピサット:氷と海の間に広がるイヌイットの狩猟場

◯タプタプアテア

(文)フランス 2018年 文化的景観

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)

場所 フランス領ポリネシアのライアテア島。

歴史 ポリネシアの人々の祖先や神々(テ・ポ)が出会う重要な聖地と考えられた。

特徴 マラエ(祭祀場)群のある島の文化的景観と美しい海、ラグーン、サンゴ礁、森で覆われた2つの谷の景観。

戦いと豊穣の神であるオロ神を祀る重要なマラエが美しい海辺に築かれている。

■人類が最後にたどり着いた定住の地とされる。

Wikipedia→タプタプアテア

おわりに

「文化的景観③」については、まずは地域の風景の核となる構成要素と歴史と文化をミックスして覚える。

世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。

これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!

ではではー!

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