【世界遺産】57時間目 先史時代/岩絵と壁画~ヨーロッパの世界遺産

こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は57時間目ということで「57先史時代/岩絵と壁画」です

■先史時代

◯ストーンヘンジ、エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺跡群

(文)イギリス 1986年/2008年範囲変更

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)

場所 イギリス南部ソールズベリー平原。

歴史 先史時代に築かれた大規模な環状列石を含む遺跡群。

特徴 ストーンヘンジ周辺にはカーサス、ダーリントン・ウォールズ、ウッドヘンジなど新石器時代から青銅器時代にかけての埋葬祭祀遺跡が残る。

ストーンヘンジ建設期は大きく3つに分かれる。

第一期 紀元前3100年~前2200年頃。直径100mに及ぶ外周部ができた時期。

第二期 前2100~前2000年頃。ブルー・ストーンと呼ばれる青みがかった石で30個ほどのメンヒル群が形成された時期。

第三期 前2000~前1100年頃。円の直径は30mの環状列石と、その内側に3つの石を門の形に組んだトリリオン(三石塔)5組が馬蹄型に配置された時期。

ストーンヘンジの北約30kmに位置するエイヴベリーはヨーロッパ最大級の環状列石

Wikipedia→ストーンヘンジ、エイヴベリーの巨石遺跡と関連遺跡群

◯オークニー諸島の新石器時代遺跡

(文)イギリス 1999年

登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 スコットランドの海岸線の北約15kmの沖合に位置するオークニー諸島。

歴史

特徴 オークニー諸島最大の島メインランド島にある4つの遺跡で構成。

ストーンズ・オブ・ステネス=楕円状に直立する4個の立石とそれを取り巻く環濠とヘンジの土手で構成。

リング・オブ・ブロッガー=36個の環状列石と新石器時代から青銅器時代の30個の土塁と、「コメット・ストーン」として知られる石の配置で構成。

メイズハウ=大きな石室を持つ墳墓で当時の日没方向を示す。

スカラ・ブラエ=高度な技術が確認できる村落後で、石の家々が狭い屋根の通路でつながっている。

Wikipedia→オークニー諸島の新石器時代遺跡

◯マルタの巨石神殿群

(文)マルタ 1980年/1992年範囲拡大/2015年年範囲変更

登録基準(Ⅳ)

場所 ゴゾ島とマルタ島

歴史 1980年にゴゾ島のジュガンティーヤの2基が登録され、1992年委マルタ島の5つの神殿が拡大登録された。

特徴 ゴゾ島の2基とマルタ島の5基の7基が世界遺産に登録。

Wikipedia→マルタの巨石神殿群

◯アンテケラの支石墓遺跡

(文)スペイン 2016年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 スペイン南部アンダルシア地方。

歴史

特徴 3つの巨石遺跡(メンガとビエラの支石墓、エル・ロメラスのトロス)と2つの自然要素(ラ・ペーニャ・デ・ロス・エナモラドスとトルカル山)を含んでいる。

Wikipedia→アンテケラの支石墓遺跡

◯ゴーハムの洞窟群

(文)イギリス 2016年

登録基準(Ⅲ)

場所 イベリア半島南端のイギリス領ジブラルタル

歴史 10万年以上前にネアンデルタール人がここに居住していた考古学的・古生物学的証拠を残している。

特徴 ジブラルタルにある洞窟群。

切り立った石灰岩「ジブラルタルの岩」の東側にある4つの洞窟。

彼らが岩に刻んだ抽象的な模様を見ることができる。

Wikipedia→ゴーハムの洞窟群

◯シュヴァーベン・ジュラにある洞窟群と氷河期の芸術

(文)ドイツ 2017年

登録基準(Ⅲ)

場所 ドイツ南部

歴史 1860年代から発掘が始まり4万3000年前~3万3000年前の遺物がオーリニャック文化を示す地層の6つの洞窟から見つかった。

特徴 現生人類がヨーロッパに到達した4万3000年前、最後の氷河期時。定住した地域の一つがシュヴァーベン・ベラ。

シュヴァーバベン・ジュラの考古遺跡群の特徴は世界で最も古い造形美術が見られる

Wikipedia→シュヴァーベン・ジュラにある洞窟群と氷河期の芸術

◯ヒロキティアの考古遺跡

(文)キプロス 1998年/2012年範囲変更

登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 キプロス島南部

歴史 紀元前7000年~前4000年頃に造られた新石器時代の集落跡。

特徴 アジアで興った新石器文明がキプロスに伝播後、地中海全域に広がる。

ヒロキティアの考古遺跡はその伝播の過程が見られる点が貴重とされている。

石を並べた円形の基礎の上に、土と藁を固めた日干しレンガや石を積んで円筒型住居を築いた。

Wikipedia→ヒロキティアの考古遺跡

◯アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群

(文)イタリア/オーストリア/スイス/スロベニア/ドイツ/フランス 2011年

登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)

場所 6ヵ国にまたがる111カ所の集落で構成される。

歴史 先史時代を通じて、アルプスの住民たちは農業や牧畜、冶金技術などを独自に発展させユニークな文化を築いてきた。

特徴 遺跡群の中には集落ごと水没していることで、過去の様子が極めて良好な状態で保存されている遺跡も多くある。

Wikipedia→アルプス山脈周辺の先史時代の掘立柱住居群

◯ブルーナ・ボーニャ:ボイン渓谷の考古遺跡群

(文)アイルランド 1993年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 アイルランド東部

歴史 紀元前3000年頃に建造されたアイルランド最大の先史遺跡。

特徴 一帯にはニューグレンジ、ノウス、ダウスの3つの大型石室墓と40以上の墓地が点在。

ニューグレンジの大型石室墓は冬至の日に入り口から石室に陽光がまっすぐ届くようになっており、天文学が優れている者によって築かれたと考えさせられる。

Wikipedia→ブルーナ・ボーニャ:ボイン渓谷の考古遺跡群

◯スピエンヌにある新石器時代の火打石の鉱山発掘地(モンス)

(文)ベルギー 2000年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所

歴史 6000年以上前の新石器時代のもの。

特徴 火打石に使用される石英などが発掘されていた。

鉱石を掘り出すための坑道跡や、深さ8~11mの立抗が残るヨーロッパ最古で最大規模の鉱山遺跡。

遺跡の周辺には大規模な集落跡も発見差されている。高度な研磨技術を用い磨製石器を製造していたと考えられている。

Wikipedia→スピエンヌにある新石器時代の火打石の鉱山発掘地(モンス)

◯クシェミオンキにある先史時代の縞状フリント(火打石)採掘地域

(文)ポーランド 2019年

登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 ポーランドのシフェントクシキェ地区の山間部にある4つの炭鉱遺跡群

歴史 新石器時代から青銅器時代

特徴 主に斧などに使われた縞状フリント(火打石)の採掘と加工のために利用された。

地下採掘場はの構造はフリントの作業場と4000の縦穴と横穴が広がっている。

Wikipedia→クシェミオンキにある先史時代の縞状フリント(火打石)採掘地域

◯バルーミニのスー・ヌラージ

(文)イタリア 1997年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 サルディーニャ島

歴史 「ヌラーゲ」は紀元前16世紀頃から建造が始まった強固な要塞のこと。約7000ものヌラーゲが残る。

特徴 石を積み上げて造られた防御遺跡。

ヌラーゲはサルド方言でヌラージ。ヌラーゲは円筒や先端を切った円錐状という特異な形をしており、内部には天井が湾曲した部屋がある。

バルーミニ村にあるスー・ヌラージは最大級の規模。防壁、武器庫に井戸、中庭なども備えている。

Wikipedia→バルーミニのスー・ヌラージ

◯アタプエルカの考古遺跡群

(文)スペイン 2000年

登録基準(Ⅲ)(Ⅴ)

場所 スぺイン北部アタプエルカ山脈にある。

歴史 シマ・デ・ロス・ウエソス地区からは40万~20万年前のものとされる人類化石が発見されており、ハイデルベルク原人だと推測される。

特徴 原人の化石が数多く出土している。

グラン・ドリーナ地区から発見された6体の人類化石は綿密な調査の結果、80万年前のヨーロッパ最古の人類ホモ・アンテセッサーとされ、彼らが使用したとみられる石器類も残る。

Wikipedia→アタプエルカの考古遺跡群

■岩絵と壁画

◯アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画

(文)スペイン 1985年/2008年範囲拡大

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)

場所 スペイン北部

歴史 旧石器時代の洞窟壁画が残り、スペイン北部の洞窟のものは奥深くに描かれていたため保存状態は良好。

特徴 アルタミラ洞窟に2008年17の洞窟が追加登録された。

西ヨーロッパにおいてはマグダレニアンと呼ばれる芸術的到達点が訪れる、アルタミラやエル・カスティーリョなどはマグダレニアン美術の代表例。

獣脂に黄土と木炭、マンガン酸化物などを溶いて着色し、岩肌の凹凸を活かしながらぼかしの技術を使って立体感を出すなどの高度な技術が用いられている。

ラス・マデダス洞窟の壁画は最後の洞窟壁画。

Wikipedia→アルタミラ洞窟とスペイン北部の旧石器時代洞窟壁画

◯ヴェゼール渓谷の装飾洞窟と先史遺跡

(文)フランス 1979年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)

場所 フランス南西より

歴史 1940年に発見されたラスコーの壁画

特徴 147の先史遺跡と25の装飾洞窟。

■遺跡からは50万個以上の火打石、140をこえる動物化石、800以上のクロマニョン人の道具などが出土。

ラスコーの壁画には狩猟の様子、動物壁画が描かれている。

ラスコーの洞窟は今は公開されておらず、複製の洞窟が設けられており、牡牛の大広間と壁画のギャラリーが再現されている。

Wikipedia→ヴェゼール渓谷の装飾洞窟と先史遺跡

◯タヌムの岩絵群

(文)スウェーデン 1994年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)(Ⅳ)

場所 スウェーデンとノルウェーの国境近く、オスロ湾に面しているタヌム。

歴史 紀元前1500~前500年の青銅器時代に描かれた岩絵。

特徴 360以上に及ぶ絵は氷河の浸食で削られて滑らかになった花こう岩に描かれている。

描かれているモチーフは様々でスカンジナビアの先史時代を今に伝える。

Wikipedia→タヌムの岩絵群

◯ヴァルカモニカ(カモニカ渓谷の岩絵群)

(文)イタリア 1979年

登録基準(Ⅲ)(Ⅵ)

場所 イタリア北部のロンバルディア平原のヴァルカモニカ。(カモニカ渓谷)

歴史 最古のものは旧石器時代の紀元前8000年よりも前にさかのぼる。

特徴 渓谷の岩々に残した岩絵が14万点ほどが発見された。

■岩絵は8000年間にわたり描かれ続けたが、紀元前1世紀のローマ帝国の侵略を境に描かれなくなった。

Wikipedia→ヴァルカモニカ(カモニカ渓谷の岩絵群)

◯イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群

(文)スペイン 1998年

登録基準(Ⅲ)

場所 イベリア半島東岸の6州にわたって点在。

歴史 紀元前1万~前3500年に狩猟採集民によって描かれたものとされている。

特徴 総数700以上の岩壁画があり、今も発見されている。

ヨーロッパ最大の壁画群である。

Wikipedia→イベリア半島の地中海沿岸の岩絵群

◯アルタの岩絵群

(文)ノルウェー 1985年

登録基準(Ⅲ)

場所 ノルウェー最北の地アルタ

歴史 紀元前4200~前500年頃に描かれた岩絵。1973年に発見される。

特徴 花こう岩に輪郭線を刻み、顔料で色を施す手法はタヌムの岩絵群に酷似。

■現在までに約6000点が確認されている。

絵柄は動物や幾何学文様が主で、古い時代には狩猟生活など、新しい時代のものは農耕、呪術、儀式の様子などが描かれている。

Wikipedia→アルタの岩絵群

◯アルデシュ県ポン・ダルクの装飾洞窟:ショーヴェ・ポン・ダルク洞窟

(文)フランス 2014年

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)

場所 フランス南東部、蛇行するアルデシュ川の石灰岩台地にある洞窟。

歴史 3万年~3万2000年前のオーリニャック期に遡るもの。

特徴 主に動物を描いた1000以上の素描がある。

■猛禽類や、今は存在しない有史以前の動物なども含まれている。

Wikipedia→アルデシュ県ポン・ダルクの装飾洞窟:ショーヴェ・ポン・ダルク洞窟

◯コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群

(文)スペイン/ポルトガル 1998年/2010年範囲拡大

登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)

場所 ドウロ川上流域のコア渓谷。

歴史 2万年以上前(旧人の時代)のものも確認されている。

特徴 野外の岩壁に描かれた線描画が多く残る。

■コア渓谷ほどの広い範囲に点在しているものは珍しく、2010年にスペインのシエガ・ベルデまで登録範囲が広がった。

Wikipedia→コア渓谷とシエガ・ベルデの先史時代の岩絵群

おわりに

「先史時代」については、どの時代、どのような文明・文化の特徴を残したかの確認。

「岩絵と壁画」についてはアルタミラやラスコー以外の遺産も覚えること。

世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。

これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!

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