【世界遺産】32時間目 旧市街と歴史地区
こんばんは、みや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。
公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(中)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。
【世界遺産検定1級 公式テキスト】
Amazon⇒すべてがわかる世界遺産1500(上巻)
Amazon⇒すべてがわかる世界遺産1500(中巻)
Amazon⇒すべてがわかる世界遺産1500(下巻)
今日は32時間目ということで「32旧市街と歴史地区 」です
■32旧市街と歴史地区
◯イスタンブルの歴史地区
(文)トルコ 1985年/2017年範囲変更
登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 トルコ北西部
◯歴史 ローマ帝国、ビザンツ帝国、オスマン帝国の首都となった歴史を持つ。
紀元前7世紀頃 ギリシャの都市国家メガラのビザスが建設した都市とされる。ビザスにちなみビザンティオンと命名。
2世紀末にビザンティウムに、4世紀にコンスタンティノープルとなる。
395年 ローマ帝国が東西に分裂、ビザンツ帝国の首都となる。
1054年にキリスト教会が東西に分裂するとコンスタンティノープルはギリシャ正教会の本拠地となる。
1453年にメフメト2世率いるオスマン帝国により滅亡、コンスタンティノープルはオスマン帝国の新首都になりイスタンブルに。
1925年にトルコ共和国が設立し首都はアンカラに移された。
◯特徴
イスタンブルの旧市街があるのはボスフォラス海峡西岸のヨーロッパ側。
世界遺産に登録されたのは4ヶ所。
①東端の歴史的建造物が並ぶ地区。
②スレイマニエ・モスクとその周辺。
③ゼイレク・モスクとその周辺。
④旧市街の西側を囲む城壁。
アヤ・ソフィアやブルー・モスクなどのモスクや教会など多くの歴史的建造物が残され、東西文明の交差点であった歴史を伝えている。
◯イスタンブルの歴史地区の主な建造物
①アヤ・ソフィア
巨大ドームを有したバシリカ式聖堂。ビザンツ建築の最高傑作と評される。
ギリシャ正教の総本山からコンスタンティノープル陥落後はモスクに改修される。聖堂内の美しいイコンのモザイク画は漆喰で塗りこめられた。
トルコ初代大統領のケマル・アタテュルクの命令で無宗教の博物館になり、モザイク画も修復されている。
②トプカプ宮殿
メフメト2世によって15世紀半ばに建造された。
歴代スルタンが改築を加えながら19世紀半ばまで居住し執務を行った。
広大な敷地は外廷、内廷、ハーレムの3つに分かれ、4つの庭園や病院、処刑場も設けられた。
現在は博物館として公開されている。
③スレイマニエ・モスク
オスマン建築の代表作とされるモスク。スレイマン1世が建設を命じミマール・スィナンが設計。
高さ50、のドーム、病院やマドラサ、救貧給食所などを備える。
④ブルー・モスク
17世紀にアフメト1世によって建造されたスルタン・アフメト・モスク。
世界で最も美しいモスクと称され、内装を飾る青いタイルにちなんでブルー・モスクと呼ばれる。
■イスタンブルの歴史と主な建造物はおさえる。アジアとヨーロッパを繋ぎ東西文明を結んだ。
Wikipedia→イスタンブルの歴史地区
◯サナアの旧市街
(文)イエメン 1986年/2015年危機遺産
登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)(Ⅵ)
◯場所 イエメン西部の高原地帯にある現在の首都。
◯歴史 紀元前10世紀頃から乳香の交易で繁栄。「マディーナット・サーム(セムの街)」の異名を持つ世界最古の都市の一つ。
◯特徴 中世アラビア都市の面影を残した城塞都市。100を超えるモスク、64のミナレット。
旧市街の城壁にはイエメン門がありその先には迷路のように込み入ったスークがある。
旧市街には高層住宅が連なり、花崗岩や玄武岩でできた土台に「アドベ」と呼ばれる日干しレンガを積み上げて造られている。
■中世アラビアの風景を伝える都市。サナアの歴史と建造背景を考えて覚えたいところ。
Wikipedia→サナアの旧市街
◯城壁都市シバーム
(文)イエメン 1982年/2015年危機遺産
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 イエメン中部
アラビア半島最大のワジであるハドラマウトの谷の底に位置。
◯歴史 3世紀頃に南アラビアで繁栄したハドラマウト王国の首都。乳香などの交易で発展。
8世紀頃から建物が高層化。
◯特徴 雨季になると大洪水に見舞われるため「垂直」を原理とした都市計画がなされる。
現在、500棟にも上る高層家屋群が残る。
■垂直に延びて発展している砂漠の城壁都市。ワジはクイズでも良く出る「枯れ川」のこと。
Wikipedia→城壁都市シバーム
◯ジッダの歴史地区:メッカの入口
(文)サウジアラビア 2014年
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 サウジアラビア 紅海の東岸
◯歴史 7世紀にウスマーン・イブン・アッファーンがインド洋の交易路における主要港として整備。メッカへ商品を送り届ける拠点として繁栄。
◯特徴 イスラム教徒がメッカに巡礼(ハッジ)に向かうための玄関口に。
19世紀に富裕商人によって建てられた数階建ての伝統的建築物や、紅海のサンゴを用いた建造物など独特な建築様式。
■メッカの玄関口として発展。首都リヤドに次ぐ都市として活気に満ちている。
Wikipedia→ジッダの歴史地区:メッカの入口
◯ダマスカスの旧市街
(文)シリア 1979年/2011年範囲変更/2013年危機遺産
登録基準(Ⅰ)(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 シリア南西部
◯歴史 イスラム世界初の王朝ウマイヤ朝の首都として繁栄。
◯特徴 ウマイヤ・モスクなど125もの歴史的建造物が残る。
■地中海を結ぶ交通の要衝として様々な国家に支配された。
Wikipedia→ダマスカスの旧市街
◯アレッポの旧市街
(文)シリア 1986年/2013年危機遺産
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 シリア北部。
◯歴史 紀元前2世紀頃からの歴史があるシリア第2の都市。
シリア内戦によりスークが焼失するなどし、2013年に危機遺産リストに記載。
◯特徴 旧市街に総延長約12kmのスーク。
300軒以上の店舗やモスクを備えた巨大なキャラバンサライ(隊商宿)のハーン・アル・ムジュルクが往時の様子を伝える。
丘の上のアレッポ城は十字軍やモンゴル軍の攻撃に耐え抜いた難攻不落の城。
■メソポタミアとヨーロッパをつなぐ中継点となった隊商都市。
Wikipedia→アレッポの旧市街
◯ブハラの歴史地区
(文)ウズベキスタン 1993年/2016年範囲変更
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 ウズベキスタン南部
◯歴史 1世紀頃からシルクロードの要衝として繁栄。
8世紀初頭のアラブ人の侵入に伴いイスラム教化。
9~10世紀にかけてサーマーン朝の首都。
◯特徴 中世中央アジアの面影を残す都市。
イスマーイール廟は10世紀初頭にサーマーン朝2代イスマーイールが父のために建てたもの。中央アジアに現存する最古のイスラム建築。
■シルクロードの要衝、中央アジアのイスラム建築、イスマーイール廟あたりをキーワードに覚えたい。
Wikipedia→ブハラの歴史地区
◯シャフリサブズの歴史地区
(文)ウズベキスタン 2000年/2016年危機遺産
登録基準(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 ウズベキスタン南東部
◯歴史 14世紀に一代で帝国を築いたティムールの生誕地。
ティムールは多彩な建造物を築いたが、16世紀後半にブハラ・ハン国のアブドゥール・ハンにそのほとんどを壊された。
◯特徴 「緑の街」を意味するティムール第2の都市。
現存するのはティムールの石棺や息子の廟、モスク、アク・サラーイ宮殿に残る高さ38mのアーチなど。
■シャフリサブズはティムールと直結させて覚える。ティムールに関わる都市がシャフリサブズ。
Wikipedia→シャフリサブズの歴史地区
◯アッコの旧市街
(文)イスラエル 2001年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅴ)
◯場所 イスラエル
◯歴史 プトレマイオス朝エジプトやローマ帝国、イスラム教国などの下で国際貿易港として繁栄した。
◯特徴 城壁内の曲がりくねった狭くて細い路地にアル・ジャッザール・モスクなどが立ち並ぶ。
旧市街の地下には十字軍の主力として活躍した聖ヨハネ騎士団の遺構がほぼ完全な形で埋もれている。
■イスラエルの遺産、アル・ジャッザール・モスク、聖ヨハネ騎士団の遺構の3点セットで覚えておく。
Wikipedia→アッコの旧市街
◯ザビードの歴史地区
(文)イエメン 1993年/2000年危機遺産
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 イエメン西部
◯歴史 9世紀初頭にアッバース朝総督ムハンマド・イブン・ズィヤードによって建設された学問都市。
◯特徴 アル・アシャエルモスクのマドラサが拡充されたのは学問奨励のため。アラビア初の大学の前身となった。
■再開発やコンクリート建築の増加により危機遺産リストに記載された。
Wikipedia→ザビードの歴史地区
◯ハーンの宮殿のあるシャキの歴史地区
(文)アゼルバイジャン 2019年
登録基準(Ⅱ)(Ⅴ)
◯場所 大カフカス山脈南側のシェキ。
◯歴史 サファヴィー朝、カージャール朝、ロシアの伝統的な建築から影響を受けた。
◯特徴 シェキ・ハーンの宮殿→色とりどりのヴェネチアン・グラスで飾られた美しい窓や扉がある2層構造の建造物。
■アゼルバイジャンで「最も美しい古都」
Wikipedia→ハーンの宮殿のあるシャキの歴史地区
◯ラジャスタン州のジャイプール市街
(文)インド 2019年
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 インド北部
◯歴史 18世紀前半アンベール国のサワーイー・ジャイ・シング2世によって築かれた都市。
◯特徴 インドで初めて都市計画に従って築かれた街で碁盤目状に整えられている。
■ピンク色に塗られた外観は「ピンクシティ」と呼ばれている。
Wikipedia→ラジャスタン州のジャイプール市街
◯アユタヤと周辺の歴史地区
(文)タイ 1991年
登録基準(Ⅲ)
◯場所 バンコクの北。
◯歴史 アユタヤ朝の都として400年にわたり繁栄した都市。
15世紀にアンコール朝を滅ぼしスコータイを併合。17世紀に活発な交易をし最盛期に。
◯特徴 プラ・プラーン様式の寺院などクメールやスコータイの要素を融合したアユタヤ独自の建築様式。
■アユタヤ朝の王は多くのチェディ(=インドのストゥーパに由来する仏塔)や寺院を築いている。
Wikipedia→アユタヤと周辺の歴史地区
◯スコータイと周辺の歴史地区
(文)タイ 1991年
登録基準(Ⅰ)(Ⅲ)
◯場所 タイの北部
◯歴史 13世紀前半に成立したタイ族初めての統一王朝。ラームカーヘン王の時に最盛期。
◯特徴 スコータイ最大の寺院ワット・マハータートなど。
■クメール風の仏塔が並ぶワット・シー・サワイ。最古の建造物のター・パー・デーンなどの仏教寺院。
Wikipedia→スコータイと周辺の歴史地区
◯古都ルアン・パバン
(文)ラオス 1995年/2013年範囲変更
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)(Ⅴ)
◯場所 ラオス北部。
◯歴史 ランサン王国の王都となった。
初代王国のファーグムは上座部仏教を国教に定めた。
◯特徴 河川交通の要衝として繁栄。代表的な遺構はルアン・パバン様式のワット・シェントーン。
■クメール王国から多くの経典と高僧を、セイロンから黄金の仏像でるパパンを取り寄せた。
Wikipedia→古都ルアン・パバン
◯マカオの歴史地区
(文)中国 2005年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)(Ⅵ)
◯場所 ポルトガル領から中国へ返還
◯歴史 19世紀末に清からポルトガル領となり1999年に返還された。
◯特徴 日本人も建設に関わった聖ポール大聖堂。
■フランシスコ・ザビエルの遺骨の一部が安置される聖ヨセフ修道院などが残る。
Wikipedia→マカオの歴史地区
◯ゴールの旧市街とその要塞
(文)スリランカ 1988年
登録基準(Ⅳ)
◯場所 スリランカの南部
◯歴史 中東と中国を結ぶ海のシルクロードの中継地点として古代から栄えた。
16世紀末にポルトガルの植民地に。その後もオランダ、イギリスの貿易港として発展。
◯特徴 旧市街に英国国教会の聖堂、ポルトガル時代のキリスト教聖堂を転用したモスクが混在。
■2004年のスマトラ島沖地震の津波からも人々を守った。
Wikipedia→ゴールの旧市街とその要塞
◯ビガンの歴史地区
(文)フィリピン 1999年
登録基準(Ⅱ)(Ⅳ)
◯場所 フィリピン北部の港町ビガン
◯歴史 16世紀後半にスペインの植民地として築かれ、中国とメキシコとの交易の拠点として繁栄
◯特徴 外観はスペイン風、中国やフィリピンの伝統的な建築様式が採用された家屋が並ぶ。
■石と木を組み合わせた家屋はタガログ語で「バハイ・ナ・バト」
Wikipedia→ビガンの歴史地区
◯慶州の歴史地区
(文)韓国 2000年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)
◯場所 韓国南東部の慶州
◯歴史 新羅の首都金城として栄えた。
◯特徴 5つの地区に分かれる。
■①「南山」仏教の聖地 ②「月城」新羅の王宮 ③「大陵苑」王族の古墳群
④「皇龍寺」新羅最大の寺院があった ⑤「山城」首都防衛の東の拠点明活山城
Wikipedia→慶州の歴史地区
◯平遥の古代都市
(文)中国 1997年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)(Ⅳ)
◯場所 中国中央部、山西省の平遥。
◯歴史 清代に金融業の中心として繁栄した古都。
◯特徴 街を囲む全周約6.4kmの城壁。
城壁内に松並が残り、街路、役所、商店、民家などが当時の姿で残る。
■近隣の双林寺と鎮国寺も世界遺産に登録された。
Wikipedia→平遥の古代都市
◯百済の歴史地区
(文)韓国 2015年
登録基準(Ⅱ)(Ⅲ)
◯場所 韓国中西部の山地。
◯歴史 紀元前18年から後660年までに興った3つの王朝の一つ百済王朝後期を代表する遺跡群。
公山城跡、宋山里古墳群、扶蘇山城跡、陵山里古墳群など。
475年~660年にかけての8つの考古遺跡。
◯特徴 朝鮮半島や中国、日本など東アジアの古代王朝間における技術や仏教、文化、芸術の交流を証明。
■百済王朝後期というところと、考古遺跡を軽く押さえておく。
Wikipedia→百済の歴史地区
おわりに
「旧市街と歴史地区」については、まずは時代と王朝名を抑えておく。そしてその時代と特徴的な建造物や人物名を覚える。
世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。
これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!
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