【世界遺産】06世界遺産に関する概念

こんばんは、みや兄です!12月12日までは世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は第6回目ということで「06世界遺産に関する概念」です

■世界遺産に関する概念

◯真正性

真正性とは文化遺産に求められる概念。

建造物や景観などが、形状や意匠、素材、用途、機能などがそれぞれの文化的背景の独自性や伝統を継承していることが求められる。

1964年のヴェネツィア憲章の考え方を反映。

真正性の考え方の変化→当時の状態がそのまま維持・保存されていることが重視されていた。

→日本やアフリカなどの木や土の文化には必ずしも対応していなかった。

→1994年に「真正性に関する奈良会議」を開催、日本主導による「奈良文書」が採択された。

・奈良文書→「遺産の保存は地理や気候、環境などの自然条件と、文化・歴史的背景などとの関係の中ですべきである」とされた。

→日本の遺産なら日本の気候風土や文化・歴史の中で営まれてきた保存技術や修復技術でのみ真正性を担保できる。

→その真正性が保証される限りは、遺産の解体修復や再建なども可能である。

→奈良文書によって真正性の考え方は柔軟になった。

◯完全性

完全性とは、世界遺産の顕著な普遍的価値を構成するために必要な要素が全て含まれ、また長期的な保護のための法律などの体制も整えられていることが求められている。

完全性を証明する具体的な条件3点

①顕著な普遍的価値が発揮されるのに必要な要素が全て含まれているか

②遺産の重要性を示す特徴を不足なく代表するために、適切な大きさが確保されているか

③開発あるいは管理放棄による負の影響をうけていないか

■「文化遺産」に求められていること

・遺産の劣化の進行がコントロールされていること

・歴史的な街並みや文化的景観のような生きた遺産の特徴や機能が維持されていること

・景観に悪影響を与える恐れのある開発などが行われていないこと

・推薦書で顕著な普遍的価値を示すとされる時代と実際の年代が一致していること

価値を証明する遺産がしっかりと構成資産に含まれていること

■「自然遺産」に求められていること

・生物学的な過程や地形上の特徴が比較的無傷であること

・世界遺産登録範囲内での人間の活動は生態学的に持続可能なものである必要がある。

・登録基準ごとに完全性の条件が細かく定義されている

ex)滝を中心とした景観の場合は隣接集水域や下流域を含む

ex)渡りの習性をもつ生物種を含む地域では渡りのルートの保護も求められる

◯文化的景観

文化的景観は1992年の第16回世界遺産委員会で採択された概念

人間社会が自然環境による制約の中で、社会的、経済的、文化的に影響を受けながら進化してきたことを示す遺産に認められる。

文化的景観は自然の景観と、自然と人工の景観の両方が含まれ、文化遺産ではあるが文化遺産と自然遺産の境界に位置する遺産。

文化的景観の3つのカテゴリー

意匠された景観

庭園や公園、宗教的空間など、人間によって意図的に設計され創造された景観

有機的に進化する景観

社会や経済、政治、宗教などの要求によって生まれ、自然環境に対応して形成された景観。農林水産業などの産業とも関連。発展過程が終了している「残存する景観」と現在も伝統的な社会のなかで進化する「継続する景観」に分けられる。

関連する景観

自然の要素がその地の民族に大きな影響を与え、宗教的、芸術的、文学的な要素と強く関連する景観

・以上により世界各地の文化や伝統の多様性の保護につながっている。

・1993年、トンガリロ国立公園において世界ではじめて文化的景観の価値が認められる。

・文化的景観の価値で登録される遺産の多くが登録基準(Ⅴ)が認められている。

■個人的には、文化的景観の3つのカテゴリーの覚え方は野球の「二遊間」みたいな感じで「いゆうかん(意 有 関)」と覚えると覚えやすかったです。

◯グローバル・ストラテジー

グローバル・ストラテジー(世界遺産リストにおける不均衡の是正及び代表性の確保のためのグローバル・ストラテジー)

1994年の第18回世界遺産委員会にて採択された。

世界遺産リストの不均衡を是正して、世界遺産条約への信頼性を取り戻すために、ユネスコは推進している。

世界遺産リストにおける「地域的」「時代的」「内容的」な不均衡の是正を目標としているおり、具体的には次の4点が挙げられる

地理的拡大

産業関係、鉱山関係、鉄道関係の強化

先史時代の遺跡群の強化

20世紀以降の文化遺産

・グローバル・ストラテジーは文化遺産だけでなく、自然遺産や複合遺産と対象に。

・世界遺産リストに複数の登録遺産を持つ国に求められていること3点

①登録推薦の間隔を自発的にあけること

②登録の少ない分野の遺産を推薦すること

③世界遺産を持たない国の登録推薦と連携すること

◯シリアル・ノミネーション・サイト

シリアル・ノミネーション・サイト(連続性のある遺産)は文化や歴史的背景、自然環境などが共通する資産を、全体として顕著な普遍的価値を有するものとして登録した遺産。

・作業指針にて定義されている3点

①「同一の歴史・文化群に属するもの」

②「地理区分を特徴づける同種の資産であるもの」

③「同じ地質学的、地形学的、または同じ生物地理区分もしくは同種の生態系にぞくするもの」

・シリアル・ノミネーション・サイトは必ずしも個々の構成資産が顕著な普遍的価値を持っている必要はなく、全体として普遍的価値を持っていればよい。

・『明治日本の産業革命遺産・製鉄・鉄鋼、造船、石炭産業』のように1つの国で構成資産が含まれる場合もあれば、国境を越えてトランスバウンダリー・サイトになる場合もある。

『ル・コルビュジエの建築作品:近代建築運動への顕著な貢献』はシリアル・ノミネーション・サイトであり、大陸を越える遺産=トランスコンチネンタル・サイトである

◯トランスバウンダリー・サイト

トランスバウンダリー・サイト(国境を越える遺産)

自然遺産の登録推薦の際に提案され、文化遺産の場合も用いられることがある概念

ex)『ベルギーとフランスの鐘楼群』はかつて1つの民族・文化圏であったが、近代国家の成立から国境で分断されてしまった。

作業指針では、できる限り関係締約国が共同で登録推薦書を作成し、共同管理委員会・機関などを設立して遺産全体の管理・監督することが強く推奨されている。

・アルゼンチンとブラジルがそれぞれ登録している『イグアス国立公園』など、別々の遺産として登録されている場合はトランスバウンダリー・サイトとはみなされない。

◯人間と生物圏計画

人間と生物圏計画(=MAB計画)

1971年にユネスコが立ち上げた研究計画

目的=社会生活や商工業活動などの人間の営みと自然環境の相互関係を理解し、持続可能な利用と環境保全を推進する。

MAB計画では、生物多様性を保全するための地域として「生物圏保存地域」を定めている。日本からは10件登録されている。(テキストP038参照)

生物圏保存地域では、生物多様性を三段階の区域に分けて重層的に保護している

①「核心地域(コア・エリア)」

生物多様性を保全する区域そのもの。

②「緩衝地帯(バッファー・ゾーン)」

核心地域の周囲に生物多様性の保全を妨げる活動を制限する区域。

③「移行地帯(トランジション・エリア)」

保全を基調とした持続可能な社会経済開発ができる区域

■世界遺産条約は、生物圏保存地域から「核心地域」と「バッファー・ゾーン」の概念を援用している。

2005年にバッファー・ゾーンの設定が自然遺産と文化遺産双方において厳格に求められるようになった。

■生物圏保存地域の区域分けについては、図解されたものを見たほうが分かりやすいのでテキスト(上)P038で確認しておく。

◯世界遺産条約履行のための戦略的目標「5つのC」

2002年 「世界遺産に関するブダペスト宣言」が採択。戦略目標「4つのC」が示される。

2007年のニュージーランドで行われた第31回世界遺産委員会で「5番目のC」が加えられる。

「5つのC」とは?

①「Credibility(信頼性)」=世界遺産リストの信頼性を高める

②「Conservation(保存)」=遺産を適切に保護・保全する

③「Capacity-building(能力開発)」=世界遺産に関わる人材を育成

④「Communication(情報伝達)」=世界遺産の価値や理念を広める

⑤「Community(共同体)」=世界遺産の保護に欠かせない要素

世界遺産センターは、世界遺産委員会において1年間の活動を「5つのC」の分類に当てはめて報告している。

おわりに

「世界遺産に関する概念」については、覚えることが多いのでまずは各ブロックごとのポイントを抑えておく。

ex)「真正性」なら「奈良文書」、文化的景観なら3つのカテゴリー、「5つのC」についてなど、まとまりで覚える意識を。ビジュアルで覚えたほうがいいところも多く、テキストと読みあわせて覚えていくと良い。

世界遺産検定の他にも色々なジャンルの記事を書いてますので気になるジャンルがありましたら読んでいただけると幸いです。

これからも生活の役に立つ記事、楽しい記事を少しずつ書いていきたいと思います!

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