【世界遺産】13時間目 日本の文化遺産③(富士山/白川郷・五箇山)

こんばんは、世界遺産検定マイスターのみや兄です!世界遺産検定1級合格に向けての勉強シリーズです。

公式テキストである「すべてがわかる世界遺産大事典(上)(下)」を中心に自分の苦手ポイントメモなどを加えていきたいと思います。

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今日は13時間目ということで「13日本の文化遺産③(富士山/白川郷・五箇山)」です

■13日本の文化遺産③(富士山/白川郷・五箇山)

◯富士山-信仰の対象と芸術の源泉

(文)日本(山梨/静岡) 2013年

登録基準(Ⅲ)(Ⅵ)

◯登録基準(Ⅲ)

富士山の周辺では富士山を「神々の居処」とする山岳信仰に基づく伝統が育まれた。富士登山や巡礼などの文化的伝統。

◯登録基準(Ⅵ)

詩歌や文学作品に描かれることや、浮世絵に描かれた富士山が海外に影響するなど日本や日本文化を象徴する記号として海外にも広く定着した。

◯資産価値総論

富士山域を中心に構成資産は25件。

擬死再生=山頂や山域、山麓での修行や巡礼を通じて神仏の霊力を獲得し、擬死再生を成し遂げようとする文化的伝統が育まれる。

富士山に対する畏敬の念は、日本古来の神道思想と結び付き、自然との共生を重視する独自の伝統も育んだ。

葛飾北斎や歌川広重などの浮世絵は海外にも大きな影響を及ぼした。

◯歴史

富士山は古くから恐ろしくも神秘的な山として「遥拝」の対象とされた。

「遥拝」=富士山に向かって仰ぎ見て参拝する。

火山活動が活発化した8世紀末、「浅間大神」として祀り、806年に富士山本宮浅間大社の前身とされる神社が建立。

11世紀後半、山岳信仰と修験道の修行が盛んになり、この頃は富士山に登りながる祈りを捧げる「登拝」も行われるようになった。

16世紀末~17世紀にかけて、修験道の行者であった長谷川角行は富士山麓の人穴に籠り苦行を行い、不老長寿や無病息災を求める人々の想いに応え富士講と呼ばれる富士山岳信仰の基盤となる組織を創始した。

◯保存上の課題など

2013年の世界遺産委員会で「文化的景観の手法を反映した全体構想(ヴィジョン)」「登山道の保全計画」「情報提供戦略」「危機管理戦略」などの作成を求められ、保全計画書を提出すると共に2016年と2019年に保全状況報告を行った。

◯構成資産の概要(25件中の一部)

人穴富士講遺跡=長谷川角行が苦行を行い、入滅したとされる風穴「人穴」を中心とする遺跡群。周辺には富士講信者が造立した約230基の碑塔群が残る。(他の説明はテキストP066参照)

富士山本宮浅間大社=806年に平城天皇が坂上田村麻呂に命じ、浅間大神(木花之佐久夜毘売命)を祀る神社として創建。二重の楼閣構造の本殿は浅間造と呼ばれる。

山宮浅間神社=富士山本宮浅間大社の前身とされる神社。本殿はなく、富士山を仰ぎ見る方向に軸を合わせた位置に祭壇や石列の区画からなる遥拝所がある。

北口本宮冨士浅間大社=1480年に「富士山」の鳥居が建立され、16世紀中頃に社殿が整えられた。一間入母屋造りで檜皮葺の本殿、唐破風付向拝をつけた形式。

吉田口登山道=北口本宮冨士浅間神社から富士山頂の東部に至る登山道。18世紀以降は「富士講」における登山本道とされた。

御師住宅=小佐野家住宅と旧外川家住宅の2つの御師住宅が登録。

「御師」=巡礼者の宿泊や食事の手配、巡礼路の案内を行った。

■P065の地図を見て富士山周辺の資産はどこに何があるかを確認しておく。

Wikipedia→富士山-信仰の対象と芸術の源泉

◯白川郷・五箇山の合掌造り集落

(文)日本(富山/岐阜)1995年

登録基準(Ⅳ)(Ⅴ)

登録基準(Ⅳ)

合掌造りは釘などの金属物は一切使用しないなど、独特の特徴を持つ重要な様式の建築物群として価値が高い。

登録基準(Ⅴ)

山間部で暮らす伝統的集落。生産体制や大家族制度といった特性。大集落(白川郷)、中集落(相倉)、小集落(菅沼)とタイプの違う集落形態。

遺産の概要

岐阜県と富山県の3つの集落。

白川郷(岐阜県白川村荻町 59棟)

五箇山(富山県南砺市の相倉 20棟)

五箇山(富山県南砺市の菅沼 9棟)

・日本有数の豪雪地帯。

・養蚕や紙漉き、火薬の材料の塩硝などの生産が産業として行われた。

・10~30人で暮らす大家族制度→その労働力を活かした家内制手工業。

・ドイツの建築家ブルーノ・タウトは合掌造り家屋に関して「これらの家屋は、その構造が合理的であり、論理的であるという点においては日本全国でまったく独特の存在である」と語った。

歴史

8世紀頃から白山は「白山信仰」と呼ばれる山岳信仰の霊峰とされた。

13世紀半ば白川郷を中心に浄土真宗が広まる。その思想が相互扶助組織である「結」などを生み出すこととなる。

構成資産の概要

荻町集落(白川郷)59軒

庄川右岸の集落。合掌造り家屋は平入りが多い。屋根に煙抜きがない。土間部に床が張られているのも特徴。

平入り=屋根がある側に入口を持つ家屋。

相倉集落(五箇山)20軒

最も北寄りにある家屋。平地が少ない河岸段丘に位置し、石垣によって敷地を平坦に造成するなどの工夫が見られる。

菅沼集落(五箇山)9軒

富山県と岐阜県の県境に位置する集落。菅沼の合掌造り家屋は妻入りが多い。

妻入り=切妻側に入り口を置き、そこに庇をつけて母屋風の外観を持つ家屋。

合掌造りの特徴

屋根

45~60度の急傾斜。豪雪&雨も多いので雪降ろしの負担や水はけを良くする効果。建築年代の古いものほど緩く、新しいものほど急になる。

荻町は平均風速20mで、家屋の妻側を南北に向けて風を受け流すようになっている。

広い床面積

一般家屋に比べ床面積が広い。

塩硝を作るには土壌分解させるために広い床面積が必要であったこと、大家族制度がとられていたためという点もある。

ウスバリ構造

小屋組と軸組を分離する合掌造りの特徴(詳細はテキストP071の図を見るとめちゃめちゃわかりやすい。)

ウスバリは小屋組の底辺(床)を構成する部分で、これにより小屋組と軸組は構造的・空間的に分離されていた。

養蚕に使用された小屋組部分は下部の「アマ」と上部の「ソラアマ」に分けられる。

村による共通点・相違点

【共通点】

=相互扶助組織。家族だけの生活が成り立ちにくく、隣人同士の結束が強くなった結果生まれた。

【相違点】

煙抜き=五箇山は煙抜きあり。白川郷は煙抜きなし。

入口=五箇山は妻入りが多く、白川郷は平入りが一般的。

■3つの集落のそれぞれの特徴を覚える。共通点と相違点に着目すると区別がしやすい。

Wikipedia→白川郷・五箇山の合掌造り集落

おわりに

「富士山/白川郷・五箇山」については、富士山は日本文化との関わりや、神として拝まれた経緯「遥拝」「登拝」についてを抑える。白川郷・五箇山については集落ごとの情報の違いと合掌造りの内容などを抑えておく。

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